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Seven
第4章 恋の連鎖が止まらない

 意識するようになってから、どういう訳か雪さんが現れる前、決まって胸が鳴る。それも「トクン」と。痛みはないけれど、「トクン、トクン」といつもは聞こえない音が聞こえる。

──トクン……

「西宮さん。出掛けよう」
「は、はい!」

 なんなのだろう、この現象は。それに鼻も敏感になったらしく、彼がつけている香水の香りを強く感じるようになった。

「どした? 早く行こう」
「あ、すみません! 今行きます!」

 ぎこちない歩き方で雪さんの後をついていく。こんな変な行動ばかり取っていたら、気持ちに気づかれてしまう。普通にしなくちゃ……。でも、普通にしようと思うと余計に空回り。だんだんと素っ気なくなってしまう態度。移動中の車内でも以前よりも会話が弾まなくなってきた。

 このままじゃ嫌われてしまう……。でも、口を開いたら好きな気持ちが全身から出てバレてしまうかもしれない。

「ふぅ……」

 隣に誰も座っていないように彼は好きな音楽を流し始めた。甘い恋愛の曲。なんで今この歌を流すの!? 私の気持ちも知らないで……。

 好き、好き、好き──この言葉が繰り返される度、胸が苦しくなる。気持ちを隠したい。それでも好きの感情は膨らみ続ける。何もしていないこの時間も。

 つい隣に座っている彼の顔を盗み見てしまう。運転している横顔、彼の香水の香り……。ダメだと分かっているのに、ドキドキは治まってくれない。
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