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第4章 強行突破 side 啓介

彼女にあっけなく恋に落ちたあの日から約1ヶ月、俺は柄にもなく緊張していた。

今日は1ヵ月ぶりに彼女の会社を訪問する日。出来れば、彼女を見つけて食事に誘いたい。

アヤって呼ばれてたけど、フルネーム知らないから探しようないな、何て名前なんだろう。

食堂、エレベーター、コンビニ、仕事の合間に出会えそうな所に足を運んでみたけど、彼女を見つける事は出来ず、1日が終わった。

「はぁーっ。こんな事になるなら、あの時、連絡先聞いとけば良かったわ。」

「意地張るからそうなるんだよ（笑）これだから追いかける恋したことない奴は。」

仕事終わりに合流した佐々木と歩きながら話す。もうコイツにはバレバレだ。

「この間の焼き鳥でいっか。」

「おー。」

ガラガラっ。引き戸を開けた時、目の前に彼女の姿が飛び込んできた。