この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
当機は偶然により、運命を変更致しました
第3章 当便は到着地を変更します。
「隣の席、空いてないかなー。色々話とかしたいし」

「え?まだ席取ってないの?」

「実は、ちょっと待ってた」

「えっ」

「飛行機、何便も無いからさ。もしかしたら、帰りも一緒になれるかなーって」

「そんな可能性、ほとんど無くない?」

それか、やっぱりストーカー?

「ううん。俺、運が強いんだよねー。やっぱりまた会えた」

運が強いって……これ、最終だよ?
ずっと待ってたら、今日帰るなら会えるけど、明日とかだったら、ここにもう一泊だよ?
なんか、急に恥ずかしくなった……。
って思ってたら、恋人つなぎで手を繋がれた。

「行きと違って、隣になったらこういう事も出来るよねー?」

「……なったら、ね……」

「また窓際席?またCAさんに何か聞いて!そしたら俺の目の前を胸が横切るし!」

「ばかっ!聞くことなんて、有りませんっ!」

結果的に、隣は空いてた。
強運!とか喜んでたけど、違うよ。
すごい後ろの真ん中席なんか、満席じゃなきゃ、埋まらないよね……。

それから私達は一緒に荷物を預けて、
一緒にお土産物を見て、
ブランケットの下で手を繋いで、帰る事になった。

CAさんに何か聞いたりはしなかったけど、窓から夜景が見えたから、教えてあげた。
嬉しそうに私の前を横切って窓の外を見て、ついでに頬っぺにキスをして来た。
恥ずかしい人だ……また通路側が空いてたから、別に良いけど。

「ほんとねー……」

「ん?何?」

「……運の強い人間って、居るんだねー……」

私は今度は窓側とは逆のーー聖護さんの方にもたれて、目を閉じた。



   *


「実は、最初から、良いなと思ってたんだよねー」

細い目でそう言われるのは、プロポーズを謹んでお受けする事になる、ずっと未来の話なのでした。

               (おわり。)
/52ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ