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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第9章 息子の独白~書店にて~
「母は萩の花が好きだった。おかしいだろう、華やかなものの好きな人だったから、花だってもっと華やかな例えば牡丹とか好みそうなのに、母は大輪の花になんか見向きもせず、秋に咲くあの花だけを愛した。思えば、母は淋しかったんだろうね。誰も自分を理解してくれず、広い屋敷の中で孤独だったんだ。僕も父上を責められる立場ではない。息子として、もっと母の心を理解しようとしていれば、寄り添う努力をすれば良かったんだ」