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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第9章 息子の独白~書店にて~
 張り詰めた沈黙の後、女将がポンと手を打った。




「ああ、思い出した。奥さまが来られたのは、確か夕方、そろそろ陽が落ちる刻限ですね」




「では、ここを出られたのは?」
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