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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第13章 対立
不覚にも涙が溢れ、頬をつたい落ちる。ひっそりと泣くチェスンを、崔尚宮は痛ましげに見つめた。
「淑媛さまは、ご立派にお勤めを果たしておられます。淑媛さまの存在がどれほど重いものを背負われる殿下の御心を癒し慰めとなっていることか。淑媛さまご自身はお気づきではないかもしれませんが、お側にお仕えする私どもには判っております。大殿にお仕えする内官長も仰せでした。ご年少で即位されて重責を担われたせいか、殿下は同じ年頃の若者より大人びていらして、笑顔など見せたことがないのに、淑媛さまがお仕えするようになってから、明るい笑顔を見せられるようになったと」
「淑媛さまは、ご立派にお勤めを果たしておられます。淑媛さまの存在がどれほど重いものを背負われる殿下の御心を癒し慰めとなっていることか。淑媛さまご自身はお気づきではないかもしれませんが、お側にお仕えする私どもには判っております。大殿にお仕えする内官長も仰せでした。ご年少で即位されて重責を担われたせいか、殿下は同じ年頃の若者より大人びていらして、笑顔など見せたことがないのに、淑媛さまがお仕えするようになってから、明るい笑顔を見せられるようになったと」