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第14章 波紋

　漢陽の町中で、両班の若夫人らしい美しい女を見たのだが、それが亡くなった淑媛そっくりだったというのだ。彼女は幸せそうで、お供の下女は三歳ほどの女の子の手を引いており、その身なりの良い女の子は夫人にうり二つであった。



　女官から報告を受けた尚宮は、



―他人の空似であろう。




　と、笑い飛ばしたが、後宮を逃れた妃が惚れた男の妻となり子を儲け、幸せに暮らしていることを知った。