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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第14章 波紋
ということは、今は零落しているのかもしれない。チェスンの読みは正しかったようで、ハン内官は遠い瞳になった。
「昔の栄華ですね。大体、内官になろうなんて思うのは、貧しい家の子しかいません。両班であろうが、庶民であろうが、そこは関係ありませんから。なまじ両班だというのが重荷になるんです。それなりの体面を維持しなきゃらないので、金が要ります。父は病気がちでしたし、無官でしたから、母が手内職をして必死に稼いでいたけど、内証は火の車でした。その中、母も働き過ぎて身体を壊してしまって、見かねて私が内官になると言ったんでしたっけ」
「昔の栄華ですね。大体、内官になろうなんて思うのは、貧しい家の子しかいません。両班であろうが、庶民であろうが、そこは関係ありませんから。なまじ両班だというのが重荷になるんです。それなりの体面を維持しなきゃらないので、金が要ります。父は病気がちでしたし、無官でしたから、母が手内職をして必死に稼いでいたけど、内証は火の車でした。その中、母も働き過ぎて身体を壊してしまって、見かねて私が内官になると言ったんでしたっけ」