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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第14章 波紋
 内官長が言った。






「殿下、雪が降って参りました。玉体に障ってはなりませぬゆえ、ここは大殿に戻られてはいかがでしょう」




 彼の言葉が終わるか終わらない時、ひときわ強い突風が吹き渡り、鈍色の天(そら)から舞い落ちる雪花が一斉に舞い踊った。呼応するように、殿舎の前で咲き誇る山茶花が鮮やかな花びらを散らす。
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