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第14章 波紋

　王のひと言で、内官長が手を挙げる。踵を返した国王の後をまた一定の距離を空けて、内官長を先頭にお付き集団がぞろぞろと付き従った。





　雪の花びらが寒風に乗って舞い踊る。地面には、王の手から落ちた山茶花が一輪、うち捨てられたように転がっていた。やがて、降りしきる純白の雪がその上に降り積もり、鮮やかな花は白い薄絹に覆われ弔われる花嫁のように、見えなくなっていった。