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第17章 第四話　　愛心　【誘惑～temptation～】　後編

　医者は特に治療の必要はなく、手立てもないと言いつつも、滋養がつき体力を回復させるという薬を置いていった。





　身体を直接診せてはチェスンが男であると露見する怖れがあるため、診察は常に脈診と着衣の状態に限られた。それでも、長年多くの人の身体を診てきた医師には、チェスンの性別は自ずと知れていたかもしれない。ただし、このヨクの昔なじみは、余計なことは一切口にしなかった。