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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第3章 紫陽花の夜に
 その問いに、チェスンは可愛い顔を曇らせた。まるで輝く月が心ない雲に閉ざされたようである。



「あまり、はかばかしくはありません。薬湯は飲んでいますが、お医者さまにかかることができず」




 ここでも王宮の医官を遣わそうといえば、断られるのは判っていた。だから、スンは妥協案を出した。
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