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第4章 秘密

　微笑んでいるところを見れば、嬉しくないことはないのだろうと、少しホッとする。




　ふと彼女が思いだしたように言った。



｢殿下、先日はありがとうございました」



　ソンは首をひねった。はて、何か礼を言われるようなことをしただろうか。前回は紫陽花の簪を贈ろうとして、突き返された。もちろん、彼女には突き返したつもりはないだろう。ただ、装飾品を贈られるほど親しいわけではないと辞退されただけだ。