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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第6章 愛は憎しみを越えて
 国王が飲食するものはすべて事前に〝気味尚宮〟と呼ばれる毒味役が味見することなっている。これは歴代のどの王の御世でも当たり前に行われていることであり、当代の国王でも同様であった。食事の際に用いる匙、箸などは銀製で、毒に触れれば瞬時に色が変わるものを使う。やはり暗殺という最悪の危険を回避するためであった。
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