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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第3章 紫陽花の夜に
    紫陽花の夜に




「―ナー、殿下(チヨナー)」



 いけない、どうも居眠りをしていたようだ。ソンは慌てて居住まいを正した。



「そなたは、母の申すことを聞いているのですか?」



 母である大妃(テービ)に直裁に問われ、彼は幾度も頷いた。
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