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逃げた花嫁と王の執着愛~後宮秘帖~
第3章 紫陽花の夜に
「大妃さま(テービマーマ)、和容王女さまがお見えです」



「通しなさい」



「それでは、母上(オバママ)、私はこれにて失礼致します」




 文机を挟んで下座に座ったソンは、母に丁重に頭を下げた。母のお小言がまた始まらない中にと急いで室を出ると、入り口で妹の和容公主とすれ違った。
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