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第6章 愛は憎しみを越えて

「月季がただ一人、惚れた男というのがあちらの若さま（トルニム）の父君、ソン・ソンジュンさまでした。当時、ソンジュンさまは国王殿下のおん憶えも良くてねぇ、当時はまだ正五品の礼曹正郎でしたけど、ゆくゆくは判書、丞相にまで昇られる方だと皆が噂していました。実際、羽振りの良いにも拘わらず、気さくで優しい方でした。月季だけでなく、この月梅楼の妓生の中には、ソンジュンさまをお慕いする女は多かったと思います」