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第9章 息子の独白～書店にて～

　以来、養父母は二度とチェスンに塾へ行けとは言わなかった。今となってみれば、大人しく塾に通ってもう少し勉強しておくのだったと後悔ばかりだ。




　だが、あの頃は自分が将来、〝王の妃〟になるなんて―いや、誰かを好きになるなんて想像もしなかった。男ながら女として生きてゆくしかない我が身は、生涯誰とも添えない運命なのだと諦めていたのだ。