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キズ×ナデ【Hな傷跡と仮初の愛撫】
第4章   岬? 


「んっ……!?」

 口の中に深く含んだ時に、誰も目にすることのない喉の奥に――。

「ううっ! ……あ……あぁ……」

 均くんの高鳴りが、激しく弾けていった。

 ドクン、ドクン、ドクンと強く三度。その後も、ビク、ビク、と細かく律動を続ける。

 吐き出されたものに、むせ返りそうになるのを我慢して、彼が静まるのを待つ。そんなことに意味があるのかはわからなくても、全てを受け止めようとした。

 舌や喉に絡む精子は、とにかく熱いと感じる。本来、決して気持ちのいいものではないだろうけど、それでもまるで不快に感じないのは、彼のことが愛おしい証拠だと思った。

 そして、均くんが満足を示したことに、わたし自身も満足してる。激しく口の中を満たした、その量と熱量がなによりの証拠であるはず――なのに。

 射精から十分に間を置き、ぬるっと咥えていたものを開放して、口に溜まった精子を掌に受けた時だ。わたしの口から止めどなく流れ落ちる精子を見つめて、均くんは悔やんだように呟いた。

「ご、ごめん……」

 またしても謝る彼の顔を、わたしは不思議に見上げる。

「わたしが、そうしたいと思ってしたことなので。確かに射精の瞬間は驚きましたけど、全然平気です」

「だけど……」

「もしかして、気持ちよくなかったですか?」

「いや、気持ちよすぎたくらいで……だけど、そういうことじゃなくって」

「?」

 男の人は射精後、理性的になるという。今の均くんの態度も、その一端なのであろうか?

 わたしには、まだわからなかった。

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