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Aさん ~私を淫らにする人~
第3章 失恋の夜は玩具で
次の日の朝も、Aさんはいつもの場所で本を読んでそこにいた。

その姿を目にした時に、いつもどおりにエスカレーターを降りてから左に曲がってきてしまったことを、失敗したと後悔した。

そして、今日の私は冷たい。

他の女の人と付き合っているAさんなかもう要らない。

だから前を通り過ぎる時に、自分の匂いも気にならなかったし、見られていることも意識しなかった。

もう、Aさんとは終わり、そう自分に言い聞かせながらホームに立ち、そして混んでいる電車の中に乗り込んだ。
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