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奴隷オークション
第2章 落札
「俺がしないことを言っておこう。俺はスカトロは嫌いだ。だからしない。それ以外は何でもありだ。俺はゴムを使わない。いつも生だ。でもいつもする訳じゃない。気分が乗らないと突っ込まない。妊娠したくなかったらピルの服用を勧める。いいな?」
「はい。ご主人様。」
「俺は産婦人科医だ。堕胎は俺がする。」
「京香は妊娠したことあったかな?」
「ありません。ご主人様ちゃんと憶えておいて下さいね。大体いつ私とセックスしたんですか?まだ挿れて貰ったことないですけど。」
「そうだったか。」頭をかいて誤魔化す。
「京香はどの位私の奴隷をしてるんだっけ?」
「もう2年になります。」
まるで二人の会話は夫婦漫才だ。二人はかなり親密な関係なのだろう。
「そうだった。」
「尚、いいな。俺に逆らったり俺のすることを拒んだりしたら即譲渡オークションだからな。」
「まったくご主人様はちょっと気に入らないと直ぐ譲渡してしまうんですから。みんな高橋様も直ぐ譲渡するって手ぐすね引いて待ってますよ。」
「そうだったか。」また頭をかく。
「でも京香。高橋様はないだろ。尚と呼び捨てでいいんじゃないか?」
「まだ事務手続きが終わっていません。高橋様はまだ私のお客様です。」ピシャリと言われタジタジのご主人様。
「なんだい。事務手続きって。」
「まだご主人様から身柄引き渡しのサインを頂いておりません。」と書類を手渡した。
「そうだった。」と言いながらサインをして京香に渡す。
「これで事務手続きは終了です。尚って呼んでいい?」私に微笑みながら京香が言う。
二人のやり取りを見ていて少し落ち着いてきた私は「勿論です。京香様。」と答えた。
「京香様か。なんかこそばゆいな。私も京香と呼び捨てでいいんだけどな。」
「いえ。それは出来ません。ケジメですから。」
ご主人様が何か言おうとしてやめた。
尚に言おうとしたことを言われてしまったからだ。
ご主人様は軽く微笑みながら二人のやり取りを見守っていた。
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