パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第1章 君と結婚しても良い？

「ん？帰らないの、光」

　ちょ。さりげなくドア閉めなくっても、良いんじゃね？

「や……あの……妹さん……」
「紹介しないよ」
「いや……紹介じゃなくて」
「紹介じゃないなら、何？」
「俺、妹さんと結婚しても良い？」
「お前……本物の馬鹿？」

　呆れられた。仕方ない、呆れられても気持ち悪くても、それが正直な気持ちです。

「るりに……妹に、惚れるな。手を出すな。それ以前に、見るな、忘れろ」

「るり……？」

　俺は巧の言う事なんか耳に入れずに、ウワゴトみたいに繰り返す。

「るり、ちゃん……？」
「何だ」
「るりちゃん……」

　オウムみたいに繰り返すだけの俺に、巧は舌打ちした。

「妹とは、会わなかった事にしろ。用は無いぞ、帰れ。さよなら」

　ひでぇwww
　どうしてそんなに妹さんを隠すんだ？巧。
　シスコンか？良くないぞ。
　社交性も、育たねーぞ。お前みたいに心が狭くなったらどうすんだ。

　……それにしても。

　るりちゃんか……。

　るり、るり。
　名前も、可愛い。名前すら、好きだ。
　飴玉みたいに、ずっと口の中で転がしていたくなる様な名だ。

　ぽーっとしながら家に帰って、ぽーっとしながらベッドに悶え転がって。

　荷物を纏める事なんかすっかり忘れて、さくらんぼ色の夢を見て寝た。