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MILK&honey
第8章 「ご飯と、かーさんと、物真似と」


「ほんと、困ったらいつでもウチに来な?遠慮しないで」
「ありがとうございます」

 何度目かの、同じこと。
 光さんはお皿を洗いながら、軽い調子でまた繰り返した。


   *

 最初は、さっきお兄ちゃんと言い合いになった時だった。


「巧んとこがダメなら、ウチに来ない?」


 光さんは、そう言ってくれた。
 最近何度も来てるのは、我慢の限界だからじゃないの?って。


「行き場が無いとか、帰りたくねーって思った時は、遠慮しねーでここにおいで、って言ってるだけ」


 そう言って、そんなの駄目って反対するお兄ちゃんの、説得もしてくれた。


「幸い、ウチには全然使ってない部屋も有るし、誰も来ねーし」


 ……あ。
 誰も来ないんだ。
 あのブラは、元カノさんのかな……。


 それから、手を出すなとか服を貸すとか何かされたかとかいう話になって、揉めてたんだけど……お兄ちゃんが、急用!って、帰っちゃった。

 その間に、光さんはお家の中を見せてくれたんだ。
 お兄ちゃんちとほとんどおんなじ間取りだけど、人の気配とか物があるかどうかとかで、雰囲気が違う。面白いなーって思って見てたら。

 私のお腹が鳴っちゃって、お腹空いたねって、ご飯を作ることになった。
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