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MILK&honey
第11章 「彼っ、が居るので、困りますっ!」

「俺、嘘吐き慣れてるからー」

 かーさんが、にかっと笑う。

 なんだ……嘘か……そうだよね、嘘だよね……。
 ちょっと、変なこと、考えちゃった。
 あんまり、かーさんに迷惑掛けちゃダメだ。
 ……彼氏でも家族でも、なんでも無いんだから。
 そう思って、相手に言ってくれるっていうのを、断ったのに。

「んなもん、全然迷惑じゃねーよ?るりちゃんが変な奴に付き纏われてねーかって心配でたまんねー方が、よっぽど辛ぇよー」


 ……かーさん。
 やっぱり、かーさんは、かーさんだ。

 わざわざ迎えに来てくれて、すごく心配してくれて、顔にソースが付いてるよって教えてくれて、それを綺麗に拭いてくれる。
 お母さんか、お兄さんみたいな人。
 つまり、かーさんにとっての私は、子供か妹だ。
 なのに、「彼氏」なんて言葉を言われて、私ひとりでドキドキしちゃって……。
 ……馬鹿みたい。

 ちょっと悔しかったから、かーさんの顔にもなんか付いてるよ!って教えてあげた。
 マヨネーズかなと思ったのに、それはなかなか取れなかった。
 かーさんは「顔洗って来る!」って、洗面所に行っちゃった……んだけど。


「こんばんは。」
「あ」

 かーさんが行っちゃってすぐに声を掛けられて、そっちを見たら。
 私に付いて来ていた人が、テーブルの横に立っていた。
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