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砂漠の薔薇
第1章 デ
セックスレスだという事はいくら同期でもなかなか打ち明けられない事で
私たちはそれ以外のところで話が周って行った。

「愛してるって、不思議と言うか都合がいい言葉だよね」
「だねぇ~」

細かい説明なんかなくても、その言葉に全員がうなづく。
そう。愛があれば多少の事は目をつぶれる。
愛があるからそばに居たい。

でも明確には目に見えないその感情は
生活の全てさえも支配する感情で。

「愛ねぇ~」

29歳の私たちはその愛について酔いながら熱弁をふるっていた。

久しぶりに集まった私たちは、
お酒の力と、金曜日と言う心の緩みと、同期と言う和やかな雰囲気で
いつもよりペースが早くて
9時なのに全員がかなり酔っていた。

「トイレ」

ひとりが気が付くと「あ。私も」と順番にトイレに行き出して
最後が私だった。

愛してるから、ね・・・
今回の更新も、何事もないように更新費用を前回のように半分づつ出して手続きに行くんだろうな。

なんでこんなにザワついたのか、自分でも不思議になってきた。
うん。そうだ。
昨日の夜からモヤモヤした気持ちは、なんだか少しスッキリして
と言うか、無理やりスッキリさせて

「やっぱり、愛してるからだよね」

そう言って、座敷に入った。

のに―――

「あれ?」

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