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歳下の悪魔
第2章 天使と悪魔

ここで痴漢ですとでも叫べば、彼は掴まるだろう。でも、その後が怖い。ヤケになられて、今までの辱めを警察に話されるかもしれない。
和真に、直接クリトリスを触られるのは初めて。いつも縄で縛り、最初の日に少し乳首をしゃぶられただけ。
私を感じさせるのは、いつも縄。彼は、そういった趣向なんだと思い込んでいた。
こんな状態でも、クリトリスを弄られると濡れてしまう。和真はその密をすくい、クリトリスだけを責めてくる。
起きた時は、いい気分だったのに。こんなことが待ち受けているなんて、想像もしなかった。
「あっ……」
慌てて口を抑える。でも息遣いは荒くなっていて、静かだったらクチュクチュと音が聞えてきそうだ。
「残念。乗り換え駅に、着いたよ」
和真は何もなかったように電車を降り、トイレに入ってしまう。
私もトイレに入り、洗浄機で秘蕾を洗った。
いくら洗っても、和真の指の感触が残っているよう。それと同時に、怖いという思いが強くなる。
今までは、部屋の中でだけ。それなのに、電車の中なんて。全く警戒していなかった。
こんな風に、彼はどこにでも現れるかもしれない。
トイレを出ると、和真の姿はない。乗り換えるにしても、もう電車に乗っていなければ完全に遅刻。
急いで乗り換えの電車へ乗ったが、女性専用車両にした。ここでなら、痴漢に遭うこともない。
その後急いでも、15分の遅刻。白衣に着替えて、みんなに謝ってからデスクについた。
金曜は決まって、仕事量が多い。
一課も今週中に仕事を終わらせようと、中途半端なメニューも送ってくる。
思った通り愛美が3つのワゴンを運んで来て、手分けをして機械を使う。
分析機から出されるデータが、山のよう。今日も残業だと思ったが、一区切りついた所で、課長に帰るよう言われた。
人手が足りなくて、普段から申し訳ないと思っているせい。
帰り際、美月が肩を叩く。
「ねぇ、優華。ゴハン行こうよー。今週の労いでねー」
美月は私に気を遣ってくれているのだろう。
「いいなあ」
聞こえたのは、和真の声。

