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歳下の悪魔
第3章 新たな顔

「もうっ。遅いよぉ。二時間以上、待ってたんだからぁ」
20代に見える女性が、ベッドに座って笑っている。
身長は、私のように小柄。髪の長さも同じくらいだった。
広いリビングには、何故か隅に大きなベッド。反対の壁際には3人掛けのソファー。ベッドの頭の位置に洋ダンスがあるだけで、他に何もない。絨毯は毛足が長く、床でも眠れそうだ。
リビングにしてはテレビも置いていないなんて、何となく不思議な空間。
「始めていいのぉ?」
女性の横に座った男性も、20代だろうか。2人とも、和真と同い年くらい。
「あっ、私、麗菜(れな)。和真とは同期だけど、大学院に進んだのぉ」
「僕は、大地(だいち)。同じく同期の、大学院生」
私も大学院へ進もうかと迷ったが、就職して良かった。就職先も希望通り。信頼出来る仲間達に囲まれ、楽しい毎日を過ごしていた。和真が来るまでは。
私はまだこの状況が、飲み込めていない。
少し変わったリビングに、和真と同い年の男女。
「ねぇ。もう始めるよぉ」
「ちょっと待って。優華、脱いで?」
部屋着に着替えてきた和真だけでなく、麗菜と大地もいる。そんな所で裸にして、何が目的なのだろう。
それでも、言われた通りに服を脱いだ。命令なんだから、脱ぐしかない。
「おいで」
ソファーに座った和真に言われ、隣に座ろうとした。
「違うよ。俺の前に座って」
脚を広げた彼が、ココと言うようにソファーを叩く。
私は全裸のまま、和真の脚の間。後ろから抱きしめられた。
「ねぇ、麗菜ぁ、もう、待てないー」
「いつもそうだけど、僕よりいやらしいね。麗菜は」
2人がベッドに乗り、すぐに全裸になる。私は男性器から目を背けた。
「ダメだよ。ちゃんと、見てあげないと……」
元彼と一緒に、アダルトビデオを観たことがある。その時も、凝視出来なかった。
2人が膝で立ったまま、キスを始める。
「はぁっ……。んんっ……」
舌を絡める音が、ピチャピチャと聞こえてきた。
「どう、して……?」
「俺達は、鑑賞。あの2人、見られるのが好きなんだ」
そういった趣向も、聞いたことだけはある。でも私には関係がないと思っていた。
「ふぅっ……。はんっ……」

