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幸せの頂点
第5章 主婦



朝、早くに目が覚めた。

克はまだ眠ってる。

夕べは食事を済ませて直ぐにベッドに入った。

克の怒りを見るのが辛くて早めに寝たから目が覚めるのも当然、早い。

克の為に朝食の用意をする。

お気に入りのベーコンをカリカリに焼く。

ベビーリーフのサラダにそのベーコンを塗す。

チーズと玉ねぎのオムレツ。

トーストにオレンジジュース。

テーブルにお皿を並べた頃にネクタイを締めながらの克が起きて来る。


「おはよう。」


克が嬉しそうに私を見る。


「紫乃のご飯は本当に美味しいね。さすが食品のバイヤーだと感心するよ。」


ご機嫌の克にホッとする。


「このベーコンをうちの百貨店に入れた人が今の上司なの。」


昨日の話を克にする。


「そんなに凄い人なの?」

「食品部のバイヤーは皆んな、部長を超える食材を求めてる感じだったよ。」

「ふーん…、でも紫乃をボロボロになるまで働かせる上司は許せないよ。」

「もう大丈夫だよ。克が居るから頑張れるもん。」


私は克と幸せの頂点に立つのだから…。

私が笑えば克も笑顔を見せてくれる。


「今夜は?」


克が聞いて来る。


「歓送迎会があるみたい…。」

「わかった。今週の休みは?」

「土曜日に取ったよ。」

「そろそろ行くね。」


私の状況を確認してから克が会社に向かう。

玄関まで見送り、克の頬にキスをする。

今日は木曜日。

土曜日の休みは克とゆっくりしたいと思う。

私は日曜日は休めない。

克は私に合わせて土曜日は午前中だけの仕事にしたり休みを取ってくれたりする。

克だって仕事が大変なんだから…。

甘えてばかりは嫌だと、洗濯や部屋の掃除を出来るだけ済ませる。


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