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幸せの頂点
第1章 満足



ビクンと私の身体が跳ねる。

体内で感じる克の脈。

暖かく優しい鼓動…。

克を完全に手に入れたと感じる一瞬の世界。


「ごめんね…、紫乃…、早かった?」


萎えて私の体内から出た克が心配そうに私の顔を覗き込む。

私も軽くはイッた。

だから私も満足だと克に首を振る。


「克を愛してる。」

「僕も紫乃を愛してるよ。」


お互いが満足な笑顔を向ければ克はパジャマを着て礼儀正しく私の横で眠る。

この幸せで満足じゃない?

もう充分よ。

私は今、幸せの頂点に居る。

これ以上の高望みは馬鹿な女がする事。

私は満足してる。

今が私の幸せの頂点…。

全てを手に入れて満足するべき瞬間。

なのに…。

克の寝顔を見てると我儘になっちゃう。

この先にはもっと凄い世界があるかもしれないと変な期待をする自分が居る。

欲張りな自分を嘲笑う。


「これでいいのよ…。」


暗闇の中で独り言を呟く。

真面目で優しい誠実な夫は、やがて良き父親にもなってくれる。

それが人生では最高の幸せ…。

不自由のない生活…。

余計な野心や欲望は人を破滅させるだけ…。

焦って結婚をした友人は子供を抱えて離婚した。

うちの両親ですら、くだらない欲望を抱き熟年離婚を経験した。

克となら…。

そんな事にはならない。

彼は穏やかな人生だけを望む人。

マイホームを買う為に計画的な貯蓄をし、私が恥をかかない結婚式まで考えてくれる。

阿久津 紫乃は山本 克と結婚をして山本 紫乃になるのだから…。

克に寄り添うのに相応しい女を目指して来た。

今が一番、幸せな時間。

今が私の人生の最高の頂点だとばかり考えてた。


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