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幸せの頂点
第7章 軽蔑



体内で感じる熱い迸り…。

確かな鼓動を感じる。

貴方と幸せになりたい。

この一瞬は間違いなくそう思う。

ぐったりと部長に身体を寄せれば、執拗なほど私の顔にキスをする。


「泊まっていくか?」


そう聞かれて身体が固まった。


「何時?」


もう深夜1時…。

いくら明日が遅番とはいえ帰らない訳にいかない。


「帰る…。」


そう答えても部長が私の身体を撫で回す。


「帰るか?」

「帰らないと…。」


私の生活は克と暮らす部屋にある。


「シャワーをお借りします。」


部長のYシャツを羽織り、またお風呂に向かう。

部長が出したものを洗い流す。

いつか妊娠するかもしれない。

だから早く克と別れてしまえと部長が迫る。

いつまでも克を裏切り続ける事は出来ない。

わかってて前に踏み出す勇気が持てずに苦しむ。

ため息を吐いてお風呂から出れば部長がバスタオルを開いて私を待ち受ける。


「お前が着てたキャミソールと下着だけは洗濯をしてやったからな。」


いつの間にか私の汚れた服が洗濯からの乾燥済みという事実に驚いた。


「あり…がとう…。」

「次の休みに紫乃が俺の部屋に来るなら着替えを全部買ってやる。」


次の休み…。

そんな事が出来る訳がない。


「来ません。」


俯いた私の身体を拭いてくれる。


「送らないからな。」


部長も不機嫌な声を出す。

小さく頷いた。

克が居る限り私は部長との幸せを求める事が出来ない立場だと言い聞かせる。


「これは持っとけ。」


着替えを済ませて玄関に向かう私の手にカードを握らせる。


「これは?」

「この部屋の鍵…。」


カードキーを渡されて狼狽える。

受け取れない。

その思いで部長に突き返す。


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