この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ネコの拾い方…
第5章 必ず帰って来るから…



わざわざ昌弘にメモを残すとか、初めての行為に胸がドキドキとして高鳴り軽い緊張感に手が震える。

何を書けばいいのだろう?

今更、初恋の男子に告白する女子高生みたい気分を味わうとか…。

藤原 清太郎ともあろう者がどうかしてる。

自分の中に変な形で湧き上がる感情がもどかしくて照れ臭い。

僕の気持ちは君にちゃんと伝わるだろうか?

最後は不安まで感じて情けない気分に落ち込む。

昌弘に宛てたメモに手紙を添えて、僕は昌弘の部屋を出る。

満足だった。

何もかも、全てに満足していた。


「愛してる…。だから待っててよね。」


部屋の扉に手を当てて祈る。

神に祈った事すらない。

藤原の当主になる為に平凡であってはならないのだとプライドだけで生きて来た。

そのプライドを捨てて昌弘に縋る。

君が待つ場所は僕が帰りたい場所だから…。

僕は昌弘のネコであり続けたい。

その為に、僕が初めて選んだ人生に立ち向かう。

今の僕はまだ藤原の当主…。

プライド高き一族を率いる歴史ある名家の代表だ。

常に自制心を保て…。

泣き事などあってはならない。

そうやって平凡でありたいと願う自分の殻を脱ぎ捨てて過去に向かって歩き出す。

昌弘の部屋の扉を突き放し前だけを見て進む。

昌弘と2人だけで過せる未来を掴む為に…。






『昌弘へ…



少し大阪で仕事をする事になった

1週間しても僕が戻らない時は、この手紙を甥の昌に届けて欲しい

愛してる…。



清太郎… 』



fine…

/50ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ