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アリョーナの旅路
第1章 アリョーナの旅路


アタシとボブさんは2月10日に入籍をしましたが、挙式披露宴はふたりの都合で挙げないことになりましたので、結婚生活はギスギスした気持ちで始めることとなりました。

婚礼家具もないし、花嫁衣装もない…あるとすればアタシのボストンバックに入っている自分の衣服だけの超質素な形で嫁入りとなりましたので、早くもボブさんのお母さまや周囲の不安が広まっていました。

ボブさんの年収は10万ドルと言っていましたが、正確な金額かどうか分からないので、アテにはできませんでした。

アタシは、ボブさんと再婚をした後も引き続き働きたいことから、チャールズ通りにある郵便局に再就職をしまして、家族の生活費を稼ぐことにしました。

郵便局のお仕事だけでも、まだまだボブさんの年収はアテにはできませんので、夜はチャールズ通りの交差点付近にあるコンビニでバイトをすることにしました。

かけもちでバイトをしまして、お給料は日当の合計が35ドル50セントで、月に20日働きまして月給の合計は710ドルでありました。

アメリカ合衆国の最低賃金は、ほとんどの州が時給9ドル台に設定されていますが、西海岸のエリアが一番高く時給9ドル50セントとなっていました。

アタシが今暮らしている東海岸のエリアの最低賃金は時給何ドルだったかは分かりませんでしたが、今のアタシにはボブさんの年収はアテにできないと言う気持ちが高いために、働いて不足分を補うより他はありませんでした。
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