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第1章 アリョーナの旅路

「ヒメネンコ、お前はいつになったら嫁さんをもらうのだ!?」
「何だよオヤジィ…またその話かよぉ…」

父の言葉に対しまして、一番上の兄もまた多少あつかましい声で父に言い返しましたので、父は読みかけのロシア語の新聞をバサッとひざの上にたたきつけながら一番上の兄にこう言いました。

「ヒメネンコは、いつものようにそのうちにとばかり言っているようだけど、もう何年間宙ぶらりんのままでいるつもりなのだ!?どうして、ヒメロフ(アリョーナの２番目の兄)のように職場恋愛で知り合った…と言う形がないのかな…」
「無理なことを言うなよ!!ヒメロフが職場恋愛でお嫁さんと知り合って結婚できたのにオレだけはできないなんて…そんなの当て付けがませだよ!!ふざけるな!!」

一番上の兄と父が大ゲンカになりかけていたので、紫色のTシャツにボブソンのジーンズ姿のアタシはのみかけのチャイをゴクゴクとのんだ後「ごちそうさまでした。」と言いまして、カバンを持って席を立ちました後、大学へ向かいました。

ネイビーの背広姿の２番目の兄も「仕事に行ってくる。」と言いまして、カバンを持って席を立ちました後会社へ出勤しました。

アタシんちは、毎朝のように一番上の兄の結婚問題のことで食卓の雰囲気が気まずい状況になっていました。