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第1章 アリョーナの旅路

「あんたね!!約束がゼンゼン違うじゃないのよ!!ふたりきりで暮らして行こうねと言うたのに、ウソをつかれたのでアタシは思い切りキレているのよ!!」
「ウソじゃないよぉ…」
「それじゃ、どうしてあんたの両親と妹さんが突然転がり込んできたのよ!?」
「オフクロとオヤジと妹は他に行くところがないのだよぉ…分かってくれよぉ…なあアリョーナ…」
「あのね!!アタシが何で怒っているのかあんたはゼンゼン分かっていないわよ!!何なのよ!!リヨンにいるあんたの兄夫婦二組に断られたから仕方なくこっちに来た…あんたの兄夫婦は困っている人を突き放すような冷たい人間なのかしら!!アタシはあきれているのよ!!」
「だからさ…一番上の兄貴夫婦も二番目の兄貴夫婦も…どちらも娘の結婚問題で…」
「いいわけばかりを言わないで!!あんたはそうやって両親と妹さんにコビヘツラって生きて行くわけなのね!?なんなのかしらなさけない男ね!!」
「オフクロはパートに出ると言っているのだよ…オヤジが働けないから…」
「キーッ!!甘ったれるのもいいかげんにしなさいよ!!アタシはね!!プータローのあんたの父親と妹さんのメンドーなんてみないから!!プータローの父親と妹さんのメンドーみるのは家族であるあんたが見るようになっているのでしょ!!今日中にお父さまと妹さんを殴り付けて目を覚ませと怒鳴りつけて就職させなさいよ!!」
「無理だよぉ…オヤジはともかく…妹はハイスクールを長期間休みがちになった挙げ句に休学が…」
「いいわけなんか聞きたくないわよ!!今日じゅうにお父さまと妹さんを力で押さえ付けて就職させなさいよ!!それができないのであれば離婚するから!!」