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黄昏異変 肉欲の奈落
第1章 女医 早苗
 「いったようだねえ早苗さん」

 エクスタシーの波の中をさまよう早苗の耳には、浩二の声も届かない。
 目尻から流れ落ちる涙が早苗の満たされた性を伝えていた。 
 横に並んで仰向けに寝た浩二も荒い呼吸を整えていた。
 しばらくすると、浩二のたてる寝息が聞こえてきた。
 ほんの数分、心地よい眠りから浩二は目を醒ました。

 「うん、寝てた?」
 「気持よさそうだったわ」

 横には、早苗の胸が息づいていた。

 「ビールでもお飲みになる」

 早苗が立ち上がった。

 「きょうはもう十分過ぎるほど十分だ。ここまでにしよう。明日もある」
 「まだ、お話をしていないのに」

 浩二も立ち上がり、早苗の柔らかに息づく胸をまさぐった。

 「奥様、いつお帰り」
 「来週だ。まだ六日もある。そのあと、今度は台湾に行く」
 「忙しいのね」
 「昨日は君、今日は僕。明日はどっちのリクエストで行こうか。僕はやっぱり、ノーマルがいいな」
 浩二が帰り支度をしていると早苗もベッドを下りて部屋着を着た。
 
 「明日はお食事もお風呂も済ませて来て下さい。ベッドでお待ちしますから」

 (いきなりベッドか)

 早苗は浩二に玄関の鍵を渡した。
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