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復讐の味は甘い果実に似て
第7章 割れない数字 ~恵梨の告白~
 そして、完全に酒に呑まれてしまったわたしたちは、気が付くと、俊ちゃんの部屋のベッドのうえで体を寄せ合っていた。

 だが、俊ちゃんは裸になったわたしを抱きしめると、わたしの胸に顔を埋めて、そのまま気持ちよさそうに眠ってしまった。
 わたしの胸のなかで寝息を立てる俊ちゃんは、まるで子犬のようだった。
 わたしは俊ちゃんの背中に腕をまわし、彼の肌の暖かみを心地よく感じながら、久しぶりに緩やかな眠りに落ちていった。

 翌日、目を覚ましたとき、俊ちゃんは土下座するような勢いで、わたしに告白してきた。
 思わず、わたしはあなたが責任を感じるような女じゃないですよ、と言いそうになった。
 だって、一昨日のバイトの無かった夜、わたしは、いつものように、合コンでお持ち帰りされて、名前も知らない男に抱かれていたのだから。

 だけど、抱き合いながら感じた俊ちゃんの肌の暖かさや、まじめすぎる告白は、わたしのようなすれっからしの女にとって、あまりにも新鮮だった。
 男の子にこんな真剣な顔で告白されるなんて、何年ぶりだろう。
 わたしはどこかに置き忘れていた暖かい気持ちを取り戻したような気持ちで、俊ちゃんの告白にOKを出していた。

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