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復讐の味は甘い果実に似て
第8章 復讐の行方 ~明日香の告白~
「ねえ、明日香、やっぱりあたし、このまま復讐が終わっちゃうのって納得できない。」
 ひかるが少しばかり呂律の怪しくなった口ぶりで切り出した。
「だってさ、このまま先輩が恵梨を吹っ切れない、っていうんじゃ、あたしたち何のために道具にされたわけ? あたしたちの前で、きっちりお別れしてもらおうよ。あたしたちが、何の役にも立たなかった、なんて言わせたくない。道具にだってプライドはあるんだよ。」

 ひかるの言葉は、まさに、わたしが思っていたことそのものだった。
 わたしやひかるは、何の役にも立たず、使い捨てにされただけ、なんて納得できるわけがない。
 わたしは新しくあけた缶ビールを、一気にあおって言った。
「……よおし、もう1回やろう。それで、先輩にきちんとケリをつけてもらおう。やり方はわたしに任せてもらっていい?」
「うん、いいよ。……けど、わたしから、一つだけリクエスト出していいかな?」
「もちろん。」
「もし、先輩とセックスするんだったら、明日香と一緒に……っていうのはダメ?」
 ひかるの申し出に、また、わたしはビールを吹きそうになった。

「だってさ、明日香がどういう風に、先輩とエッチするのか知りたいもん。自分の知らないことを明日香が先輩にしてもらってたら、悔しいじゃん。逆に聞くけど、明日香は、わたしが先輩と、どういう風にエッチしてるか、知りたくない?」
 ひかるが酔いで蕩けた目をして、わたしに聞いてきた。
 ……知りたい。
 ひかるの復讐の日に、ひたすら想像した淫らな妄想を、実際に見たい。
「……知りたい。すごく。」
「えへへ、さすが、お姉ちゃん。正直だね。」

「けど、わたしは浩二次第だからね。浩二が嫌だって言ったら参加できないよ。」
「んー、でもさ、浩二君って「寝取られ」って言うんだっけ? だったら、むしろ望むところなんじゃないの?」
 ひかるが不思議そうな顔で言った。
 ひかるには浩二の性癖の事を話してはいたが、確かに、普通はそう考えるかもしれない。
「実際には、そんな単純な話じゃないんだ。とにかく、わたしは浩二次第ってことで。」

 そして、わたしたちは2人で深夜まで、新たな復讐計画を考えたのだった。

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