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復讐の味は甘い果実に似て
第9章 さよならという儀式 ~ひかるの告白~
 あたしがコテージに戻ると、恵梨と明日香がベッドからゴソゴソと起き出してきた。
 あたしは先輩が先に帰ったことと、お礼を言っていたことを2人に伝えた。
「……しかし、何というか、先輩ってば、最後まで自分のやり方を通す人だね。全く。」
 少しばかり呆れたように明日香が言った。

 けれど、もう、先輩のなかで儀式は終わったのだ。
 後は先輩の中でどう消化するかの問題だろう。
 そして、そこはわたしたちが干渉できるようなところではないし、干渉すべきでもない。
 恵梨は、少しだけ悲しそうな顔をしたが、最後に小さな声であたしたちに言った。
「……明日香もひかるも、ありがとう……ちゃんと、思い出にしてくれて……。」

 せっかくだから、最後に、みんなで露天風呂に入ってから帰ろうよ、と明日香が提案し、あたしたちは朝日を見ながら温泉に入ることになった。

 あたしは、ぼんやりと先輩のことを考えながら、お湯に漬かっていたが、急に明日香が妙なことを言い出した。
「実際のとこ、先輩って恵梨に仕込まれてあんなにセックス上手くなったわけでしょう? じゃあさ、結局、あたしとひかるは恵梨仕込みのテクニックで、先輩にガンガンにイカされてた、ってことなんじゃないのかな?」
 明日香の身もふたもない冗談に、あたしと恵梨が笑った。

 確かに、あたしたち3人は、奇妙な形で、先輩という一人の男の人を共有した。
 恵梨のことを完全に許せたわけではないけれども、あたしは以前ほど恵梨に対して距離は感じなくなった。
 多分、これからは言いたいこともきちんと言えるだろう。

「ひかるの言い草じゃないけど、あたしら3人、竿姉妹ってやつだね。これからもよろしくね、姉妹たちよ。」
 明日香が笑いながら言い、あたしと恵梨もつられて笑った。

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