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第4章 　背徳への誘惑

　そんなある夏の昼下がり、突然の夕立に全身をずぶ濡れにして買い物から帰宅した彩香が玄関で大きな声を上げて義父を呼んだ。

　「すみません、お義父さん、バスタオルを取っていただけませんかぁ」

　あわててタオルを用意して駆けつけると、薄手のワンピースから水を滴らせて立っている彩香。その服はぴたっと肌に張り付いて、下着どころか身体の線まではっきりと浮かび上がらせ、まるで透けて見えるようだった。
　哲司はしばらく体を拭く彩香のそぼ濡れた姿に見とれてから、こそこそと逃げるようにその場を離れた。
　目の当たりにした彩香の悩ましい姿に思わずもようした淫意に、哲司は慌てた。