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背徳 嫁と舅の淫望
第4章  背徳への誘惑
 浴室のドアを後ろ手にそっと閉めた彩香は、そのままシャワーを浴びている哲司の背中に抱きついた。
 張りのある、吸い付くように柔らかな肌。
 彩香は両腕を脇から入れると哲司を羽交い絞めしてその豊かな胸の膨らみを哲司の背に重ねた。

 「彩香・・・」

 哲司は、こうなることを恐れていた。

 恐れながら、いつの間にか、こうなることを願っていたのだ。

 「お義父さん・・・」

 彩香も哲司も心の奥底に秘めた思いは同じだった。
 しかし、義父には決して出来ない。

 (だから、わたしが最初の扉を開く)彩香はそう決めていたのだ。

 二人の間に生まれた感情があの夜の散歩を境に一日一日高まっていた。
 嫁と舅に変わって、男と女を意識しはじめた二人は早朝練習の中でさらに惹かれて行った。

 彩香は哲司に心まで奪われたのだ。

 憧れもまた、その人に己の身も心も捧げたいという欲情を生む。

 貯まり過ぎたダムの水が堤を越えるように、いつか二人の間に生まれた欲情が理性の堰を越えてあふれ出す。
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