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メンタリズムな恋…
第6章 先生、繋がってます



警視庁に着けば先生の不機嫌が増大する。


「腹…、減った。」


警視庁の廊下で私達の前を歩く片桐さんに聞こえるようにわざと嫌味を先生が呟く。


「出前でも取りますか?結構、美味い飯屋とかありますよ。」


片桐さんは飄々と先生の言葉を受け流す。


「……。」


無言になる先生に私はため息を吐くばかり…。

奈々ちゃん捜索の事情聴取に来たというのに、こんな調子の先生がちゃんと話すのかと不安になる。


「三好さんはこっちで…、大和さんは向こうでお願いしますね。」


片桐さんは私を小さな会議室に案内すると先生だけ別の部屋だと他の刑事さんに案内を任せる。


「先生とは別なの?」


今度は私が不安になる。


「お2人の話に食い違いがないかを確認する必要があるから規則で一緒には出来ないんです。」


片桐さんが軽く肩を竦める。


「食い違いって…。」


私も先生も犯罪者扱いなの?

そう聞きたくなる。


「難しく考えないで下さい。食い違いがなければすぐに終わります。三好さんは僕が聴取しますし。」


片桐さんは仕事だ。

わかってても不安になる。

会議室に入れば制服を着た女性警官が私にお茶を持って来る。


「聴取には彼女も立会います。」


片桐さんがそう言えば女性警官が在り来りの笑顔を私に向けて来る。


「はぁ…。」


不安は拭い切れないまま事情聴取が始まった。


「大和さんの助手として警視庁の要請で現場に来たという事で間違いはありませんね?」


片桐さんの質問に答える形で聴取を受ける。

警視庁の要請って、片桐さんが来てくれって言ったからなんですけど…。

わざわざ知ってて質問する片桐さんが不思議な人に見えちゃう。


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