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女教師と男子生徒、許されざる愛の果てに~シークレットガーデン
第4章 哀しいすれ違い
 誰でも失敗はする。けれど、大切なのはその先ではないか。きっと長瀬も彼の母も心を尽くして謝り説得すれば、心を開いて心優の話を聞いてくれるはずだと思いたかった。
 
 その日の授業も終わった。心優はその日は四限までしか受け持ち授業がなかったので、少し早めに学校を出た。もちろん、長瀬の自宅を訪ねるためであった。R高校の最寄り駅はR駅になる。心優はいつもこの私鉄を利用していて、R駅から二駅先のH駅まで行き来している。
 H駅から自転車で十五分ほどの閑静な住宅街の一角、マンションと呼ぶにはいささか物足りなく、アパートというほど質素でもないコーポラスで暮らしていた。
 長瀬が母親と暮らす自宅はR駅を更に通り過ぎて五つめのN駅前にあった。心優の住まいがある下り線とは逆の上り線方向である。
 N駅で降り、駅前の商店街のパティスリーでアップルパイを買い、箱に入れてピンクのリボンをかけて貰った。その箱が入った紙袋を持ち、ゆっくりとアーケード街になっている商店街を歩く。こういう昔ながらの昭和を感じさせる商店街は今日日、本当に少なくなった。
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