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第4章 卑猥な噂

央汰と別れてから数日後……。

「……？」

出社した愛里咲は、すれ違う社員の異様な視線に気付く。

品定めでもするかのような男性社員の視線。
汚い物でも見るかのような女子社員の視線。

普段会う事のない他の部署の社員からの視線に、愛里咲は嫌な予感を覚えた。


「来た来た」

「うわぁ、よく平気で出社できるね」

部署内に入ると、女子社員からの刺すような視線と陰口が聞こえる。

「お…おはようございます……」

いつだって返事は帰って来ないが、とりあえず挨拶だけして席に着く。


遠くの席に座る琉と目が合う。

(……？)

琉は、口をパクパクさせて何か言っている。

(……パソコン？)

琉の口の動きから、どうやらパソコンを開くように言われているようだ。


目の前のパソコンを開く。
心臓がバクバクと早鐘を打ち、パソコンの立ち上がりがいつもより遅く感じられた。

ピコンッ
メールの受信を報せる音が鳴った。

(……知らないアドレスだ)
知らないアドレスからのメールは、どうやら社内に一斉送信されているらしい。

愛里咲は恐る恐るメールを開いた。