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独り暮らし女性連続失踪事件
第4章 救出への動き
≪週間スクープ編集部≫

「編集長、いやー、とんでもなく変な事件ですよ」
「佐々木、どうした?なんか分ったのか」

記者の佐々木が取材を終えて一週間ぶりに社に戻ってきた。

「死亡した女性は全く化粧気がなく、マニュキアどころか香水もクリーム、口紅もつけていない」
「今時、化粧しない女がいるのか?調香師とか、匂いに敏感な仕事なら、あるかも知れんな」
「それに、合成麻薬はMDMAで、どうも病院で試験薬として保管していたものが使われたらしいです」
「亡くなった女が医療関係者ってこと?」
「そうだとすれば、飲む量を間違えません。今回はかなりの量を飲んでいるので、飲ませた方に病院関係者がいると見てます」
「そうか、それじゃあ、殺人容疑の可能性があるってことだな?」
「はい。捜査本部ではその可能性が高いと踏んでいるようです」
「組織が絡んでいる可能性もあるな」

佐々木は取材ノートをめくりながら、報告を続けた。

「あの地域は犬のブリーダーが多くて、血筋の良い犬を作り出し、ダメな犬は処分する、しかし、金が絡むから揉め事も少なくなく、良からぬ連中が入り込んでいるようです」
「ペットがらみの事件もあるからな」
「それから、女の体内から検出されたのは犬の精液だそうです」
「犬が相手か」
「あるところで小耳にはさんだ話ですが、『女の体を使って精液を採取すれば、交配トラブルは無くなる』って」
「まさかと思ったが、そんな話が出ているのか」
「編集長はそんな話を聞いたことがあるんですか?」
「いや、ヨーロッパの話だがな。第二次世界大戦中、旦那が居なくなった女が犬を相手にしてたって話で、犬が人間の女を追いかけるのはよくあるんだとよ。気持ち悪い話だと思っていたが、日本でもそんなことをさせてたんだな」

田村はタバコをぷかぁーとふかした。

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