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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第6章 会社の同僚「蛇塚さん」


────白馬サイド────



さて。

普段他人に全くと言ってもいいほど興味を示さない俺が、なぜ蛇塚さんに興味(?)を示したのか。


それは、先輩がめちゃくちゃ騙されやすい性格だからだ。


彼女の言う「良い人」というのは当てにならない。
特に今回は、蛇塚さんが俺達の弱みを握っているわけだ。


…このまま先輩の評価だけを信じて野放しにしておくのは、あまりに危険すぎる。





というわけで。




「く、黒哉様がわたくしに何の御用で…?!」




早速確認に移ろうじゃないか。












────場所を移動して休憩室へ。

今の時間帯は誰もいないし、心置きなく探りを入れられる。


「蛇塚さん突然すみません。どうしてもお伺いしたいことがありまして。」
「ぁああぁあ誠に恐れ多いありがとうございます恐縮ですわなんなりと…!」

顔の前で手を合わせながら、拝むように言われる。

…うん?なんだこの人、返し方独特すぎないか??
しかも演技じゃない。素だ。
相当な変わり者か…?

「…いえいえ、むしろお時間取らせて申し訳ありません。山下先輩から事情は伺いました。僕たちの関係を知っておられるとか…。」


さぁ、どうでる。

ここの反応で彼女の真意がだいたい分かる。

実は先輩に黒い感情を持っているのなら、
可愛こぶった演技+なぜ付き合っているのかという理由をはかとなく聞いてくるだろう。

それか、ひたすら良い子を演じるか。

蛇塚さんの返答に一人構えていると、
彼女の口からまさかの答えが返ってきた。


「ええ!ユイさんと二人でお買い物されてる様子を見かけましたの!もうほんっとうに仲良さげで、幸せそうで…。
わたくしも勝手に胸をキュンとさせてしまいましたわ!潤いをありがとうございます…!」


頬に手を当て、心底嬉しそうに語る彼女。

…これも演技じゃない。
声のトーンもおかしくないし、目の色も普通。




…まて、もしかしてこの人。




「蛇塚さん、山下先輩のことはどう思ってらっしゃいますか…?」

突然の変化球な質問に、彼女が大きな目をぱちくりさせる。
そして、心から優しく、柔らかい声音と表情で答えた。


「もちろん、大切なお仕事仲間であり、大切なお友達ですわ!」





────確信。

この人、ガチでただのいい人だ。



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