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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第8章 初デート



────「ねぇ白馬くん、あの言葉は冗談のはずでは……?」



『デートからのラブホでハードにいじめるコース』

このデートを取り付けるときに、
彼が冗談めかして言っていた言葉。


のはずなのに。



なぜ私達は今、ラブホにいるのだろう。



いやうん、そりゃ白馬くんが連れてきたからなんだけどさ。
わざわざラブホに来る必要ないじゃん。

狼になるんだろうなと思ってはいたけどさ。
わざわざラブホに来る必要ないじゃん。


「うん、冗談だよ。だから、ラブホでハードにいじめるんじゃなくて、普通にいじめようかなって。」

「サラッとすごいこと言うね?!」


思わずツッコミを入れてしまうと、
彼はクスクス笑いながら私の耳元に唇を近づけて。



「期待してたくせに。」
「〜〜っ!」



そっと掠れた声で囁いた。

ホント彼のこういうところ反則だと思う。
妖艶な雰囲気を醸し出して、一気に私を飲み込むの。

白馬くんの言葉に顔を赤くしていると、
彼がポフンとベッドに座り込み、軽く手を広げた。


「いいよ、嫌ならこのまま寝てもいいし。欲しいならこっちにおいで?」


……分かってるくせに。
その意地悪な笑みがすべてを物語ってるよ。

私はおずおずと彼の元へ向かい、
ぎゅっと体重を預けるようにして抱きつく。

すると、彼が楽しそうに笑いながら私の頭を撫でてきた。


「よしよし、素直だね。いい子。」
「ん。」


白馬くんの胸元に顔をうずめながら、コクリと頷く。

ベッドの上だと毎回私が子供っぽくなるのだけど、
なんだかそれも心地良い。
ドキドキするのにどこか落ち着く、この矛盾感。


「ユイ、こっち向いて…?」


あと、意地悪な彼の甘い声が好き。

言われるがままに白馬くんの方へ顔を上げると、
彼が熱っぽく微笑みながら私の頬に手を添えた。

そして、優しく啄むようにキスを落とされる。


「ん…、ちゅっ……んぅ……」

焦らされてるみたいでゾクゾクする。
触れる唇が熱くて柔らかい。

ぼぅっと白馬くんの方を見つめると、
彼が少し困ったように笑った。


「そんなに欲しそうな顔しないでよ、セーブできなくなるじゃん。」


……でも、欲しい。

激しくされて、また翌日に身体が痛くなるのは嫌だけど、
もっといっぱい欲しい。

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