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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第9章 白馬黒哉について




────「お邪魔します。」
「はい、どーぞ。」


夕方六時。

先輩の家に寄って色々準備してもらい、
そのまま俺ん家にやってきた。

明日仕事だしね。


さて。


「先輩どうする?先お風呂入る?」


そう聞くと、彼女は少し肩を跳ねさせ、
躊躇いがちにこちらを向いた。

……また顔が赤い。


「えと、あ、あの……」


視線を向けつつも、口ごもる彼女。

うん、こういうときは大抵……


「せーんぱい?なにかして欲しいなら言って?」
「〜っ!」


俺にワガママを言いたいときだ。

先輩の頬を両手で挟んで、
額同士をくっつける。

ほら、これで逃げらんないね。
察しついてるし、早く可愛いワガママ言いなよ。


「あっ、えと、その……っ」
「うん。」


どんどん顔が赤くなっていく彼女。

……あー、意地悪したくなってきた。



「いっ、一緒にお風呂はいっ……んんっ?!」



言い切る前に彼女の唇を塞ぐ。

あっつい。柔らかい。

舌は入れず、
彼女の唇をペロリと舐めてゆっくり離すと、
彼女が恨みがましそうに俺を睨んできた。


「クスッ。ごめんね、遅いから待ちきれなくて。もう一回言って?」
「〜ッ、分かってるくせに……っ」


うん、分かってる。
でも言わせたい。


「ユイ早く。またキスするよ?」


催促するように彼女の唇を親指でなぞる。

涙目で上気した顔。
……たまんない。


「そ、その、一緒に……っ」
「うん。」



ほら、言って。



「……一緒に、お風呂入りたい……っ」



普段、真面目で控えめな彼女からの大胆な言葉。
俺だけが知る、彼女の一面。

思わず笑みが溢れる。


「うん、よくできました。」

「んぅ……?!」



ご褒美に深く口づけると、
彼女は驚きながらも俺の服を掴んで応じてくれた。

さっきのキスじゃ物足りなさそうだったもんね。


「んっ…ちゅ……、くろ……。」
「……いいよ、入ろっか。」


優しく頭を撫でてあげると、
彼女が子供のように顔を頷かせた。

物欲しそうな彼女の視線。

この恥ずかしそうな顔をする子が、
俺の手によって理性を剥ぎ取られ、快楽に溺れてしまう。



それが、可愛くて可愛くてしょうがない。



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