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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第2章 お泊り会


大学を卒業し、お互い就職してからは会う機会が減った。
慣れない仕事を覚えるのに必死だったし。

…それだからかな。

彼はより、私を所有物のように扱うようになった。
「昼休みに返信できるのにどうしてしない」とか「俺はこんなにユイのことを想っているのに」とか。




正直、限界だった。




自分でもよく耐えた方だと思う。その日約束していたデートで、ついに私は数年間分の鬱憤をぶち撒けた。





────そして、殴られた。





口の中は血の味でいっぱい。ビックリしすぎて涙も出なかった。
当時の優しい彼の顔なんて欠片もない、あるのは私を見下す鬼のような表情。

そして、その日から呪文のように告げられた。



「全部お前が悪いんだ。」



それから、私がドジをしたり、気に入らないことがある度に手をあげるようになった。
それも、他人の目がつかない場所に。

もちろん最初は必死に抵抗したし、警察に相談したりもした。
…でも、状況が変わることはなかった。

遠くへ逃げようにも万が一見つかった時が怖い。
被害が及ぶのが怖くて、周りの人に打ち明けることも出来ない。




次第に私は、闘うことを諦めた。





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