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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第10章 甘い微熱と寂しさと


正直、同棲なんて早いと思ってたの。
だって、付き合ってまだ三ヶ月も経ってないんだよ?

だから同棲してみたい気持ちはあっても、
抵抗が強くあったのだけれど。




もうそんなの、
どうでもよくなるくらい彼のことが好きすぎて。





うずめていた顔を上げて白馬くんを見れば、

言葉が勝手に口からこぼれだす。













「ね、くろ、好き……、一緒に暮らしたい……。」












突然の発言に、面食らった表情を見せる彼。


すると、彼はすぐにフッと目を細め、
スルリと指で私の頬をなぞってきた。

優しくも鋭い、彼の眼差し。

頬をなぞる指も相まって、
なんだか身体がゾクゾクする。




「……いいの?風邪治してから考えなくて。」

「うん。熱に浮かされて言ってるわけじゃないもん……。」




これは本心だ。

同棲に抵抗があったのは時期が早すぎると思ったから。


でも、その箍も外れてしまった。


もう常識なんて関係ないの。
好きが溢れてしょうがない。


ジッと彼の方を見つめていると、
彼は私の頬を両手で包んで、
そっと啄むようにキスを落とした。


……ご褒美にって約束だったのに。


そんなことを思いながらも素直に受け入れてしまう。


唇を喰んで、重ねて。


甘くて可愛い口づけを受け止めていると、
不意に彼の舌が私の唇をつついた。


風邪がうつっちゃったら大変だ。

そう、頭では分かってるんだけど。



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