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会社のドSな後輩王子に懐かれてます。
第2章 お泊り会


「先輩はどーなんすか?あ、でも彼氏さんいるし、そうだなぁ。じゃあ初恋エピソードどうぞ。」
「えっ。」


まさかの急に話題を振られる。
えっと待って、初恋とかみんな覚えてるものなの?
中学生…は違うな、小学生、幼稚園……あ。


思い出した。
けどそれは。


「…いいけど、笑わないなら話してもいいよ。」

初恋と呼べるに呼べないやつだ。


「人の恋を笑うほど性格終わってませんよ。」
「ほんとに?」
「はい。」


意外と真剣だ。これなら話して大丈夫かも。


「…わかった。

…実はね、私の初恋はクマレンジャーのブルーなの。」

「ブッフォwwwwwwww」
「ねぇ!ちょっと!笑わないって!言った!!」

盛大に噴き出してるし!
性格終わってるじゃん!!

「ンフwwwすみませっw不意打ちすぎてwww」
「もういいよ…とりあえず初恋はクマレンジャーのブルーだったよ…。」


ここで簡単に解説。


〜クマレンジャーとは〜 

リアルなクマの見た目にクマのような倒し方。
従来の戦隊ものの概念を覆した、話題作であり問題作でもある作品だ。

ー以上ー


「クマレンジャーのブルーはね、強くて賢くて。不可能だ!って皆が思っちゃうことを、あり得ないようなやり方で解決するんだよ。
普段は冴えないキャラでチャラチャラしてるんだけど、やる時はやる人なの。」

ちなみに今でも好きだったりする。
もちろんキャラとして。
 

「いいと思いますよ。ヒーローを好きになるとか素敵なことじゃないですか。」
「思いっ切り笑ってたけどね?」


「いやホントwすみませんww」って言いながらまた笑ってる。
まぁドン引きされなくて良かったかも。


「はい、もうコレでお話終わり!私もう眠いから寝るよ?」
「そうですね、お付き合いありがとうございました。」


おお、意外と素直に引き下がってくれた。

と思ったら。




「…先輩。」


まだなにか用があるみたい。


「なにー。」
「……いえ、おやすみなさい。」


なんだか寂しそうな、申し訳なさそうな声。

「…?うん、おやすみ。」


私はよくわからないまま挨拶を返し、
そのまま深く眠りについた。


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